米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体(著者:ケント・ギルバートさん)を読んで

『2020年の憲法改正を目指す』

安倍総理が、ついに憲法改正のロードマップを引いた。

“ついに”と言ったのは、1947年に日本国憲法が施行されてから70年、一度も改正が具体化することがなかったからだ。

ただ、同じ“ついに”という日本語でも、立場によって含まれる感情は異なる。

いわゆる改憲派は期待に胸を震わせ、いわゆる護憲派は怒りで胸が震えていることだろう。

しかし、改憲派も護憲派も、特に一般人においては「何となく改正した方が良い」「何となくだが、改正は危険だ 」といった印象論になってしまっている感が否めない。

直感や感性みたいなものを僕は否定はしないし、大切にすべきだ。でも、それは正しい情報があってこそ、十分に発揮されるもの。

一部の地上波テレビや新聞しか情報源がないのであれば、その直感や感性は確実に曇る。

憲法を改正すべきかどうか――。
なぜ、憲法を改正しないといけないのか――。

まさしく、その判断材料として役立つのが、ケント・ギルバートさんの『米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体』(角川新書)だ。

いきなり帯がおもしろい。

『中韓を調子にのらせてしまう憲法を押しつけて申し訳ありません!』

アメリカ人のケントさんらしいブラックジョークだが、日本国憲法の出自や現在の国際情勢に照らし合わせた憲法の欠陥について、揺るがない歴史的事実と法律論に則って、わかりやすく丁寧に解説してくれている。

「そうそう、こういうことが知りたかったんだ」と率直に思えた。

憲法や各種法律について法律の専門家が意見を述べるとき、あくまで事実に基づいた客観的スタンスを取るべきで、例えば「テロ等準備罪」を勝手に主観で「共謀罪」と言って国民の不安を煽るようなことはしてはいけない。

なぜなら、そのへんで酒を飲んでるおっちゃんがワーワー言うのとわけが違うから。法律の専門家の意見となれば、それなりのものとして国民は受け止める。

少し話が逸れたけど、安倍総理が憲法改正を具体化した以上、次の総選挙でも必ず最大の争点になる。

僕たち国民は間違いなく当事者だ。

憲法を改正するかどうかで、日本の未来、僕たちや子どもたちの人生・生活は大きく変わる。

憲法について自分はどう考えるのか、何となくの改憲派も何となくの護憲派も、読んでみることをおすすめします。

この本の文章は、その性格上、とてもロジカルに展開されているのだけれど、行間からはケントさんの日本愛がじわじわと滲み出ているのを感じる。そして、それは終章で一気に解放される。何だか嬉しくなった。

憲法のために憲法があるんじゃない(変な言い回しやけど)。

愛する人たちを守ることができる憲法であるべきなんだ。

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体(角川新書)著者:ケント・ギルバートさん